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僕はゾイドに恋してるⅢ。長いよ。
そんなわけで今日はゾイドバトルストーリーⅢの話。そう、無敵厨デスザウラーのために共和国側がてんやわんやするシリーズです。

今回のシリーズの主人公は帝国サイド。かつては士官学校の教官も勤め、前シリーズの主人公、トビー・ダンカンの直属部隊、スケルトンにも所属していた経歴もあるコマンドソルジャー、フランツ・ハルトマンです。外見はフィギュアの背姿から察するにシュワちゃん系のマッチョオヤジで、海水を吸ったぶっとい流木を片手で持ち上げブン投げるという非常に私好みな男です。手持ちのミサイルで小型ゾイドを撃破したりするんだよ、確か。

さて物語は首都を放棄して姿を消したヘリック大統領を探して大陸中を血眼になって探している帝国、という辺りからスタートします。
北方の海岸線にある基地に配置されているフランツと、彼の元教え子二名は自分達に出番は無いと気楽なノリでいたのですが、そこでフランツは言うのです。
「俺がヘリックなら海に逃げる」と言って自分が海に放った流木を指すわけです。濃霧が立ち込め、無人島も多いそこであれば隠れる場所には困らない、と。少し怯えたような表情を見せる教え子達にフランツ笑って言いました。
「もしこの考えが正しいなら俺が大統領になっている」と。
で、この冗談が冗談ではなくなってしまうわけです。
濃霧の中偵察任務に出た三人は、濃霧に隠された寒冷地でヘリック専用のウルトラザウルスを発見してしまったのです。自分の所在を知られるわけには行かないヘリック(替え玉説アリ)。彼のウルトラはフランツの目の前で、アイアンコングのコクピットから脱出しようとする教え子二人を容赦なく踏み潰したのです。

さあそんなわけでマッチョオヤジが地獄の復讐鬼と化し、教え子二人の仇を討つため、戦争を終結させるため。最強の暗殺者としてヘリックをつけ狙うようになるのです。
彼は共和国兵士に扮して共和国に潜り込み、次々に手柄を立てて昇進。更に「デスザウラーの捕獲」というデスザウラーに苦しめられ続ける共和国にはこれ以上無いほどの手土産を持って影武者ではない、本物の大統領との接触に成功します。そうしてあと一歩というところまでヘリックを追い詰めますが、大統領の親衛隊、ローザの妨害により撤退を余儀なくされてしまいます。

この時期共和国はデスザウラーに手を焼きつづけてました。特に絶大な威力を誇る荷電粒子砲に。
それを止めるにはデスザウラーの背中にある、空気中からエネルギーを集めるためのインテークファンを破壊する事。そこさえ壊せば後はなんとかなるハズだ、と。
精密な爆撃を可能な形に改造されたサラマンダーによる高々度からの攻撃が行われましたがそれも成功しませんでした。


さて、デスザウラーと比較して一枚落ちるイメージのあるウルトラザウルスですが、デスザウラーを上回るスペックの一つに『水中でもOK』というのがあります。水上移動が可能な上、荷電粒子砲を除けば右に出る物の無い破壊力を持つウルトラザウルス。運用次第では失った領土を回復できるハズ。
そう考えた共和国は首都に進入した帝国軍を孤立させるべく侵攻を開始します。さて、彼らは無敵のデスザウラーをどうしたか。
強力ではあるもののまだ量産完了と言えるほど数が揃わないデスザウラー。基地へ配備される数も一機が限度だし、それで十分だと思われていました。
そこをついて共和国はデスザウラーをおびき出し、その隙に本隊のウルトラザウルス艦隊が別の場所を攻め落とすとい策でした。引きずり出す相手が相手だけに生半な戦力では引っかかるまいと、共和国は捨石としてゴジュラスmk-Ⅱ×2、ウルトラザウルス、アリゲーター部隊を突っ込ませます。
目論見通りデスザウラーは動き、ゴジュラス二体は瞬殺。ウルトラザウルスに到っては自分の射程に入る前に荷電粒子砲を撃たれて一撃で破壊されてしまいました。ウルトラの巨体が海を真っ二つに割る粒子砲に紙くずのように吹き飛ばされる写真は印象的でした。
さて海までやってきたデスザウラー。水平線の向こうにウルトラ艦隊を見つけて自分が引っ掛けられた事に悟るわけです。と、そこで瀕死のウルトラが背後からキャノン砲でインテークファンをブチ抜きます。これでデスザウラーは最強の武器を失ってしまうわけですが、それでも帝国兵は諦めません。ただ一機でそれを追撃しようという暴挙に出ます。
海中という相手のテリトリー、数でも劣り、メインの兵装は失われ、それでも勇敢に艦隊に挑んだ彼は艦隊のキャノン砲の一斉射を受け海の藻屑と消えるわけです。それはデスザウラーが初めて敗北したという印象的なエピソードでした。


さて、無敵厨専用ゾイド、デスザウラーに対抗するべくヘリックは自分の厨脳全開の専用機を開発します。その名もケンタウロス。ウルトラザウルスの胴体にゴジュラスの上半身。サラマンダーの翼にゴルドスの尾びれ。砲戦、格闘、飛行、電子戦、全てに対応したそれは確かにデスザウラーと互角以上に渡り合える代物でした。
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最も幾らデスザウラーと戦えると言ってもこれを一機作るだけで4機の大型ゾイドが犠牲になります。十分な量を量産する頃には共和国の大型ゾイドの部隊はシールドライガー位になってしまい、戦線の維持は不可能になるというあくまでシンボルにすぎないゾイドでした。でも小学生のハートはがっちり掴んでたよ。


さて一方のフランツは任務失敗の責を問われ、進退窮まってしまうわけですが、彼は地位も名誉もかなぐり捨てて再びヘリック暗殺へと動き出します。
用意したのはデスザウラーを改造したデスドッグ。荷電粒子砲の機能こそオミットされていますが、近接戦闘用に特化し四足歩行に改造された機体は跳んだり跳ねたりと行った小回りの利いた戦闘が可能です。前足も地面を掘り進めるよう強化してあるので攻撃力高そうだし。なんつーか「何でもできる」ようにしてあるケンタウロスに比べるとパイロットへの負担も小さいし優秀な気がする。ていうかケンタウロスは折角の複座なのに乗ってるのがローザと大統領じゃ処理しきれないだろ。


さていよいよ決戦。ふい討ちに成功したデスドッグはケンタウロスの懐に潜り込みます。旗色悪しと判断したローザは大統領を強制的に脱出させます。その判断は正しく、組み付いたデスドッグは脱出ポッドの射出口を破壊してしまいました。フランツを逃がしては大統領が危ないと意を決したローザはデスドッグに逆に組み付くと急上昇。共に空中から落下して相打ちとなるわけです。
この時フランツは脱出に成功しましたが、ローザは辛うじて生還するものの大怪我を負って入院生活。このシリーズはフランツもローザも主人公二人はえらいタフガイだな。


そしてエピローグ。毎回1ページだけでエンディングフェイズが描かれるんですが、ここにそのシリーズの主人公が登場する事は結構稀な気がします。そして今回は稀な例。
ローザが野戦病院で治療を受けてるところにヘリック大統領が自らお見舞いに来るわけです。確か花も持ってきてた気がする。んでこんなやりとりがあるわけですよ。
大統領「怪我が癒えたら、また私の元に戻ってきてくれるかい?」
ローザ「はっ!勿論です!」
大統領「親衛隊員としてではない…一人の女性としてだ」
で、このタイミングで聞き耳立ててた看護婦達の重さに扉が耐え切れず看護婦達がどざーっと雪崩れ込んできて、開口一番「おめでとうございます!大統領夫人!」って言ってヘリック大統領とローザは二人揃って真っ赤になってしまいました、というエンディング。
ゼネバスがチョイ悪系のオヤジならヘリックの方は母性をくすぐる可愛い系のオヤジなんだろうなあ(笑

このヘリックの結婚というエンディングは当時衝撃的で。何時の間にんな愛情を育んでたんだお前らは!とか思ったんだけど今なら妄想力でその辺を埋められるようになりました。
きっと馬鹿ップルになったに違いない。そしてヘリックはローザに「危ない事に首を突っ込むな」とずっと尻に敷かれ続けたに違いないと。
by tsujihatago | 2007-04-29 03:58
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